労働者の給料がなかなか上がらない理由を考察してみた
景気上がっているのになんで給料上がらないの……?
って思う人、めっっちゃ多いと思います。
それで色々データとか見たり、平均年収だけでなく中央値や最頻値、世界の年収比較なんて見ても、どれが本当のこと言ってるんだか実感があまりなかったりします。
それが2018年に最も現れているのは、東京オリンピックのボランティア募集ですね。
労働者の搾取だとたくさん批判が飛び交っています。
ボランティア募集のために4000万円のCM作成広告費をかける、というニュースまで出ていて、バイト募集すればいいのになんで?? って矛盾に思う人が多いでしょう。
でも、ここに資本主義としての本質が込められています。
今の世の中の金がどう動いているのかまず考えると……
企業の内部留保が多い!!企業が金を貯め込んでいる!!もっと労働者に還元して!!
という批判が多いこと多いこと。事実そのようになっています。
ただ金として貯め込んでいるわけではありません。
ここで経営者側の視点に立ってみると……
金はただ貯め込むのではなく、実は会社内の施設を充実させるために多くは利用されているわけですね。
労働者の給料を充実させるより、会社内設備や制度を充実させた方が良い人材を会社に留まらせ易いです。
グローバル化が進むことで教育しても優秀な人材が流出することを考えると、人よりも会社や施設に金を払った方がより安全にリターンがくるでしょう。
まずここで内部留保を多く持てる大手と中小企業の社員で基本給以外の格差が現れてしまいます。育休制度なんかは鉄板ですね。
そして設備も整ったら今度は会社としてのブランド力を上げるために広告費をたーーくさんかけるようになります。
広告を流して多くの人に企業を知ってもらった方が新卒で優秀な人が入るようになります。
少子化の問題で人手不足だよーーーと散々ニュースで流れていますが、むしろ大手企業間では採用倍率が上がって、中小との人材採用面でも大きく引き離しているわけです。
そして、製造業もたくさん作ってたくさん売れる時代じゃなくなりました。
他の製品と差別化するために今では様々な価値やサービスを加えているのですね。
で、マーケティング競争に打ち勝つためにも広告競争が激しくなりました。
その結果どうなったかっていうと……
アフィリエイター・ブロガーやYouTuberが大量発生し、またWeb広告に特化した会社も多く生まれるようになりました。
新聞広告市場が減少し、Web広告市場が伸びていった形ですね。
そうして
・グローバル化で終身雇用が崩れ、人材流出しやすい状況
・それなら儲けた金で設備や機械を買った方がいい
・機械で代用できる人は機械以上の賃金にはなりにくい
・人材より広告を優先するようになった。
このような世の中の流れにより、労働者の給料はなかなか上がらなくなりました。
もちろん今でも技術やスキルがあって交渉力の高い労働者は、好景気の煽りでどんどん給料を上げています。
機械に代わられる中間層が賃金が停滞し、物価の上昇に追い詰められてる状況ですね。
また終身雇用を望みにくくなったので新卒を高い金で雇うメリットも少なくなり、若い内はなかなか給料が上がらない状態になってしまいました。
2011年頃と比べて緩やかに好景気へと動いていても、結果として労働者に金が回るより先に物価上昇と税負担が重くなる事態になっています。
そんなこんなで2020年頃にはオリンピック景気でもっと改善されることを願いつつ、私もあなたもチャンスがくるまで少しずつスキルを磨いていきましょう。
悲観的になって批判家になるより、少しでも人生攻略の糸口を見つける方が楽しいですから。